Tuesday 7 September 2010

銀河 

さて、「桜の季節」「陽炎」「赤黄色の金木犀」とくれば・・・
そうです、今日は四季盤最後にリリースされた「銀河」についてです。


「銀河」というと、宮沢賢治ファンの私は、すぐに「銀河鉄道の夜」を思い出します。




お話の中では「星祭り」が行われ、街の中を「烏瓜」の提灯を子供たちが持って歩いているのが印象的ですが、この「烏瓜」は秋の季語です。
ちなみに、この「星祭り」、日本の夏祭りの代表「七夕」とは関係ありません。

また、話の舞台になっている「銀河」も、同じく秋の季語です。


立秋から立冬の前日(大体8月7日から11月7日)までが、日本で「秋」といわれる季節です。(今年の日本では、温暖化の影響からか9月過ぎても暑さが和らぐ兆しはありませんが・・・)



ジョバンニとカンパネルラは星祭り一色の街を後にして、銀河を走る幻想的な銀河鉄道に乗って旅に出ます。
日本の代表的な童話作品の一つですので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

英語訳も出版されています。
銀河鉄道の夜 英語版 Night Train To Stars (English Translated Version)




銀河の話に戻りましょう。

昔の人は、天の川が特に美しくはっきりと見られるのは秋だと感じたようですが、私は現代日本を知る者として、やはり「銀河」を冬盤に選んだ志村くんのセンスに賛同いたします。

冬が一番、星空がきれいに見えます。
私の経験からして、まず他の季節と空気の澄み具合が違います。




特に雪の降った次の日に見る銀河は、最高です。
空気中のほこりを雪の粒子が取り除くため、空気はより澄んで、積もった雪が全ての雑音を吸収します。
周りはシンシンと寒く、いつもより静かに感じます。
そして、その星空の美しさといったら・・・ぜひ、山梨にいらっしゃってご自分の目で確かめてみてください。




フジファブリックの「銀河」の中には、南国の方々にとって少々分かりづらい箇所があるため、もう少し詳しく説明します。

「丘から 見下ろす 二人は白い息を吐いた」
これは、日本では冬になると外気温が低いため、吐く息は白く見えます。
物を燃やした時にでる煙というより、ポットにお湯が沸く時にでる湯気のほうが、近いでしょうか。

ちなみに、タイ人の皆さん。
氷は雪が積もって出来るものではありません。
あれは、水が凍ってできるものなので、雪が降らなくても、外気温が0度以下になると、水のある所には氷がはるのです!


「きらきらの空」
冬になると日本ではよく風が吹きます。
そのため、上空の強風の影響で、ちらちらと星がきれいに瞬くのです。


富士山のある富士吉田市で生まれ育った、志村正彦くん。
きっと、小さい頃から富士山に瞬く星空を見て育ったんでしょうね。

今では、その富士山上空の星たちの中で一番輝いて、みんなを見守ってくれていることでしょう。

では、フジファブリックの「銀河」、お聴きください。






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